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今回のはたらく人
上野ケンさん(アニメーター/東映アニメーション研究所講師)
プロフィ−ル
代表作に、
'02『劇場版デジモンテイマーズ 暴走デジモン特急』(作画監督)
'98『まもって守護月天』(キャラクターデザイン/作画監督)
'03『金色のガッシュベル!!』(作画監督)
'06『貧乏姉妹物語』(総作画監督)など。
現在は『ゲゲゲの鬼太郎』でキャラクターデザインと総作画監督として活躍中。

上野ケンさん
――まずは経歴的なところから伺っていきたいのですが、アニメ業界に足を踏み入れるきっかけは何だったのですか?
上野:もともとアニメ好きではあったのですが、ちょうど進路を決めるタイミングと第一次アニメブームが重なったんですね。そんな中で情報誌を取り寄せるうちに、アニメを教える専門学校があることを知ったんです。今だったらネットで調べる人が多いでしょうけれど、当時はまだ雑誌しかない時代。それがなかったら、今こうはなってなかったかもしれないですね(笑)。
――当時好きだったアニメというと?
上野:さっきも言った第一次アニメブームを形作ったのが『宇宙戦艦ヤマト』であったり、その後の『機動戦士ガンダム』、あとは『銀河鉄道999』ですからそのあたりですね。東映のアニメでいうと『デビルマン』や『マジンガーZ』。
――その後専門学校を卒業されて、そのまま直接東映アニメ(当時:東映動画)へ進まれたのですか?
上野:いや、場所は東映アニメと同じ大泉学園にあった別の会社に入りました。そこで動画を1年間担当して、その後、原画、作画監督として結局3年いましたね。その後は5年間フリーでやりました。当時仕事をもらっていたのはサンライズやAIC等。それから東映アニメのビデオ作品をやったのをきっかけに、中で仕事をする様になりました。
――ちなみに初めて原画を担当された作品は覚えていらっしゃいますか?
上野:えーっとね…、『おじゃまんが山田君』(一同「ありましたね〜」と感嘆の声)。その後に『まいっちんぐマチコ先生』に行って、それが終わってすぐ『超時空世紀オーガス』という作品で初めて作画監督になったんです。フリーになってからは『機動戦士Zガンダム』の仕事ももらったかな。基本的にメカものが多かったですね。
――当時メカを描ける人って少なかったんじゃないですか?
上野:いや、増え始めたころ。それと同時に世代交代が始まったころでもあって、当時20代前半だったメカ好きのアニメーターたちが一斉に集まってきた。ちょうどヤマトやガンダムを見て育ってきた世代だよね。専門学校時代の同期生でいうと、後藤隆幸さん、中嶋敦子さん、土器手(どきて)司さん、桜井このみさんといったところ。卒業してから20年も経つと大分いなくなっちゃいますね(笑)。
――それでも錚々たる顔ぶれですね。
上野:皆さんうまい人たちだから。残るべくして残った感じだね。
――専門学校時代の恥ずかしい思い出がありましたら、教えて頂きたいのですが。
上野:何だろうなー、やっぱり自信過剰なところはあったかもしれないですね。自分がそういう若い人たちを使う立場に立ってみると、結構大変です(笑)。自分のことを振り返ってみても、先輩たちは使いづらかっただろうなって思いますよ。何の根拠も無い自信なのにね。当時の自分にあったら叱りつけてやりたいですよマジで(笑)。
――そういう学生さんに対処するときに何か意識されていることはありますか?
上野:自信たっぷりなのは仕方ないことなんだよね。そうじゃないとこういう業界ではやっていけないと思うから。だけど社会人として最低限のモラルを身に着けていくようにというのは、機会があるごとに言うようにしています。やがて仕事としてアニメに関わることになると、それはお金をもらってやることになるわけだから、学生の趣味の延長というわけにはいきません。まあ自分がそうだったから、今の学生にもそう強くは言えませんけどね(笑)。
――上野さんご自身の意識が変わるきっかけというのはありましたか?
上野:仕事を始めて、いろんな人と机を並べて仕事をするようになってからです。特に東映アニメでは色んなアニメが同時並行で進んでいきますから、そんな中で自分ひとりでは仕事はできないという感覚が身についていったのかもしれないですね。新人時代はたくさんの人たちの中で仕事をした方がよいと思います。
――アニメ業界に入ってから特に苦労されたことというと?
上野:まあ若いころは全てに苦労します(笑)。特に一枚の絵を描くのにも、もの凄く時間が掛かるんですよ。だから学生時代にデッサンやクロッキーといった基礎的なことをもっとキチンとやっておけばよかった。原画の仕事は速さが勝負というところもありますから。実際に仕事を始めてみると練習する時間なんてとれません。その意味でも授業料をキチンと払って勉強するところがあるというのは大切なことですよ。
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