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――それでは、現在取り組んでいらっしゃる作品と、その仕事内容について教えてください。
上野:『ゲゲゲの鬼太郎』第5期のキャラクターデザインと、総作画監督です。キャラクターデザインというのは、平たく言えばメインのキャラクターを作ること。現在第1話目の放映が終わったところですが、実は並行してキャラクターデザインを進めている妖怪もいたりするんです。第8話で妖怪横丁という場所が登場するのですが、そこにいる妖怪も作るのはこれから。
――そうすると結構な量になるんじゃないですか?
上野:一話毎にゲスト妖怪というのが出てくるんですが、これが一匹ではおわらないんだ(一同:笑)。鬼太郎の妖怪って、おじいちゃん、おばあちゃんが多かったり、若いキレイな女性が出てきても着物が中心。もう少し別のものを考えたりもするけど、基本的には水木しげるさんの原作と画集をベースにしています。その上で、これまでのシリーズとは差別化したり、今回の鬼太郎ならではのオリジナリティーを出そうということですね。
――個別のキャラクターでいうと、今回はネコ娘がこれまでよりも可愛らしく描かれていたりしますね。
上野:そうですね。今回はヒロインらしいヒロインが登場しないんですね。そこでネコ娘にヒロイン像を与えるような路線をとりました。もともとネコ娘は人間界に順応しやすいキャラクターとして描かれていますし、登場人物の中で表情も一番豊かだと僕は思っています。鬼太郎をはじめ、メインキャラクターや、妖怪キャラクターには僕のテイストがある程度反映されていると思いますよ。
――上野さんが現在メインにされている作画監督、それからアニメーターという仕事に教えてください。
上野:アニメーターというのはつまり、動画屋。アニメの一枚一枚の原画を描く人、作画作業をする人です。作画監督は、そこで描かれたキャラクターや画面の管理を行っていく仕事ですね。原画を描く人は一話の中にたくさんいて、それぞれに個性があるから何もしないとテイストがバラバラになってしまいますよね?それを統括していくのが作画監督。今、アニメがスタートしてから間もないので、やり直しをさせることも結構ありますよ。それ以外では番宣ポスターの制作といったこともあります。
――監督から上野さんに対して要望などが出ることはありますか?
上野:監督の中でははっきりと世界観が出来上がっていて、毎回「貝澤メモ」というものが回ってくるのですが、そこに要望は書き込んであります。それも多すぎて、とても全てに目は通せない!というぐらい(笑)。画面のエフェクトのかけ方とか、そういった細かいものも含まれます。ですから全体像でどうこうというよりも、話数ごとの指示ですね。貝澤さんも絵が描ける人なので、その絵を観ながら僕らも彼の考えを理解していきます。
――上野さんご自身で特に気にかけていることは?
上野:これはいつも言うことですが、誰を対象に作るかということ。アニメを観ている人の年齢だとか、そういったことですね。監督をはじめ、作画監督、シナリオライター、みながそれを基準にチェックしていきます。鬼太郎の場合は小学校の3〜4年生から中学生全般まで。じゃあ具体的にどうしていくのかというと、上手くは言えないんだけど(笑)、まあ、きわどい表現は控えようとか、スタッフと話し合っていく内に少しづつ出てきますね。
――作画監督のお仕事と、キャラクターデザインのお仕事とで、楽しいことと、大変だと思うこと、それぞれあげて頂けますか?
上野:楽しいこと…うーん、あまり無い(一同:爆笑)。いや、それは初めて関わったときはプライベートも何もかも全てつぎ込んで出来上がったものを観る喜びというのはすごくありましたよ。でももうこの年になっちゃうとツライことばっかり(笑)。でもね、マジメな話、まだ一枚の絵でしかなかった自分が描いたキャラクターが、性格づけをされて、3〜4ヶ月して声を吹き込まれて動きだすのを見ると、言ってみれば「やっと生まれた!」という感動は未だに覚えますよ。母親の気分に近い。あっ、それは極端か。つまんないこと言っちゃったな(笑)。 ちなみに大変な事、キャラデは人物だけでなく、その話に出てくる、全ての物(車、動物、小道具、家具等)を調べて、描かなければいけない事!コレ、メチャメチャ大変です。
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